2009年11月14日土曜日

名古屋帯の仕立て

先日ブログ読者の方からご質問が有りましたので、他の方のご参考にもなるかと思い書かせて頂きます。

名古屋帯の仕立て方には3種類あります
  (もしかしたら、他にもあるかも知れませんが…)
下記は仕立上がりの特徴です。
① 名古屋仕立て 
       通常の名古屋帯の形 胴に巻く部分がお太鼓の半分の幅に仕立ててある
② 開き仕立て  
       胴に巻く部分もお太鼓と同寸の幅に仕立ててある
       胴に巻く部分には別布で裏を付ける 
       裏無しで帯芯に帯地をかがりつけている事もある
③ 松葉仕立て  
       手先だけは、お太鼓の半分の幅にして残りは開き仕立て

ご質問の方は「背が高いから開き仕立てが良いですね」と呉服屋さんに言われて
言われるままに、ずっと開き仕立てにしていたそうです。
確かに、背が高い方は前帯幅が4寸ではバランスが悪くもう少し広くと思いますよね。

次はそれぞれの長所と短所です。
① 名古屋仕立て 
       長所 前が半分になっているので締めやすい
       短所 前帯幅の調節ができない
② 開き仕立て  
       長所 前帯幅の調節ができる
       短所 前幅を折って締めるので締め難い
          手先から裏地が見える事が有る
③ 松葉仕立て  
       長所 前帯幅の調節ができる
          手先は開いていないので裏が見える事は無い
       短所 前幅を折って締めるので締め難い

もう1つの問題は、開き仕立てで幅出しをして帯を締めると折り筋が付いてしまう
という点です。
名古屋帯は前の柄が裏表で違う場合が有りますが、折り筋が付いてしまうと反対側に締められなくなる事も有ります。

そこで、お勧めするのは名古屋仕立てで、前帯の幅を広く仕立てる方法です。
前帯の幅は通常4寸に仕立てますが、身長とお好みによって4寸1~3分に仕立て
ます。
もっと広くするには布幅が足りないかもしれません。
その場合は、松葉仕立がお勧めです。
8寸名古屋は広くする事はできませんので、やはり松葉仕立てが宜しいと思います。
腰幅が広い方は、お太鼓幅も少し広くお仕立てになる(9寸名古屋のみ)ことをお勧めします。

ご参考になりましたでしょうか?
ご質問ご意見が有りましたらお気軽にコメントをお寄せ下さい。

和裁塾 縁 会↓ お訪ね下さいませ (^u^)
http://yukarikai.com/

ランキング参加中です。よろしかったらクリックを!
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
こちらにもご協力を(*^_^*)
人気ブログランキングへ

 

3 件のコメント:

  1. 先日は「皿付き指貫」を教えていただき、ありがとうございます。
    確かに私のような針に慣れていない者には、長針は難しいようです。お針箱さんの「3の3」を探してみようと思っております。
    また、なごや帯仕立てについても、とても参考になりました。
    このような知識は、着つけ教室に通っていても教えてはもらえません。呉服屋でも・・・。
    これからも私のようなきもの初級者にむけて、このような知恵を授けてください。

    返信削除
  2. すごく勉強になります。
    種類別の長短所もよ~くわかりました!
    先生の説明はわかりやすくて、参考になります。

    返信削除
  3. YUKIさん
    Nakamuraさん

    コメントありがとうございます。
    ご参考になったようで、嬉しいです。
    私も、もっと色々お伝えできると思うのですが、
    どんな事が皆さんの参考になるのか分からないのです。
    ご質問をお寄せ頂けると嬉しいです。

    返信削除